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MG 木の洗濯ばさみ/西岡恭蔵
MGに唄いにいったのは、私の3枚目のアルバム「ろっか・ばい・まい・べいび〜」が発売された頃だから、今から20年程以前になる。
松江はそのときが初めてで、おそらく「ろっか・ばい・まい・べいび〜」に録音した曲を中心にしたLiveだったと思う。
Liveの後、ママと話をした。どんな話しだったのか話しの内容は忘れたが、ママが私のギターの演奏を褒めてくれたのを憶えている。
もしかしたら、とぎれた会話の隙間にママが気を遣ってくれて、ギターの話になったのかもしれない。ギターの演奏のことで誰かに褒められることなどめったになかった頃で、(今でもそうか)嬉しかったことを憶えている。
Liveの翌日、MGにコーヒーを飲みにいくと、「奥さんへのお土産に……。」と、言って木製の洗濯ばさみを20個程プレゼントしてくれた。今でも時々輸入雑貨店で見かける、5センチくらいの針金をバネにした木製の洗濯ばさみ。
子供の頃に、私の母親も使っていたと思うのだが、私はこの木で出来たどこか懐かしい洗濯ばさみを見ると、過ぎた時代のアメリカ南部の黒人女性達を思い出してしまう。
アフロへアーをスカーフで止めた彼女達が、庭先に張った紐にこの洗濯ばさみを使って洗濯物を干すシーン。きっと子供の頃に見たアメリカ映画に、そんなシーンがあったのだと思う。
「ろっか・ばい・まい・べいび〜」の裏ジャケットに、今も住んでいる米軍ハウスの我が家をバックに、当時の私の家族の写真がある。
KUROと、2才の息子と私。
ちょっとレトロな写真で、KUROはアフロへアーにしている。その頃KUROは、黒人女性をイメージしてたのだと思う。
おそらくMGのママは、この裏ジャケットのKUROを見て、この洗濯ばさみをプレゼントしてくれたのだと思うのだが、もしかしたらママの中でもこの木製洗濯ばさみとアメリカ南部が結びついているのかもしれない。
KUROもこの洗濯ばさみのお土産を喜んで、クッキーか何かの丸い空きカンに入れて大事にしていたのを憶えている。
昨年の10月、20年ぶりに松江で唄った。MGに寄せてもらい、ママに会った。
顔を憶えているか心配だったが、ママの事はすぐにわかった。あの洗濯ばさみをいただいた頃の感じが蘇った。ママは、あの頃より豊かな感じがした。
MG30周年、
すごいなぁ〜、と思う。
これからも、出来るだけ永くMGを続けてください。
30年後のMGで、誰かが歌ってたりして…。

1999年1月23日

西岡恭蔵氏のMGでのライヴ
★西岡恭蔵氏のMGでのライヴ(1974年)。 ちなみに「ろっかばいまいべいびー」は75年にリリースさ れています。

西岡恭蔵氏のポストカード。
★西岡恭蔵氏のポストカード。
MG30周年記念『Eternal Notes』(MG)1999年10月9日発行より
作詞家でもあったKUROさんは1997年4月4日に、西岡恭蔵氏は1999年4月3日にお亡くなりになりました。

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